700系自転車

Bicycle Series 700


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700系自転車

Hybrid Use Commuter


▲外出先でタイヤを交換したばかりの700系(2002.6)

700系自転車は、機能不十分な277系自転車を置き換えるために導入された。 事故対策車としては277系に比べてやや不足しているものの、 高速性能をいかんなく発揮し、回転数・トルク共に277系よりも20パーセントも抑えた省力走行自転車である。 大気環境が非常に悪い都区内での走行については、余力分を酸素吸収の抑制に当ててSPM(粒子状浮遊物質)の体内への混入を最小限に抑えている。

走行性能

性能は個人差があるために数値化することが難しいが、ゆとりをもった加減速制御を行っているためにあえて数値化した。 以下に最高速度、加速度、減速度は平地・無風状態で測ったおおよその結果を示す。

車両導入:2001年4月29日(鳩ヶ谷から東大宮に搬入した日)
定価:89800円(税抜)、2割引(約72000円)で購入。
車両銘柄:GT Avalanche2.0 (Made in Taiwan)
最大出力速度:50km/h超(道路環境上50km/hまでしか試していない)
持続限度速度:40km/h
通常運用速度:20〜35km/h
勾配持続速度
25%:起動不可(と見られる)
20%:5km/h
15%:7km/h
10%:10km/h
05%:15km/h
最大加速度
〜25km/hまで4.0km/h/s
〜30km/sまで2.5km/h/s
〜40km/h/sまで2.0km/h/s
持続適度加速度
〜12km/hまで1.5km/h/s
〜18km/hまで1.0km/h/s
〜25km/hまで0.5km/h/s
〜40km/hまで0.3km/h/s
非常制動減速度:12km/h/s(非ロック状態)
常用最大減速度:4.5km/h/s(雨天時3.0km/h/s)
変速段数:前3段・後9段・合計27段変速
車両重量:約10kg(キャリア未装備時)
主な運用環境:平地中心
主な運用範囲
埼玉県:さいたま市・蕨市・戸田市・上尾市・蓮田市・川越市・岩槻市
→国道17・122号、県道2号線等
東京都:板橋区・豊島区・文京区・千代田区・中央区・港区
→国道15・17号、都道301号線のみ
事故回数:自損1回(記録的豪雨時の視界不良)
整備頻度
0.5ヶ月〜2ヶ月に1回…点油、空気充填
6ヶ月に1回…タイヤ交換
その他は適齢時期に整備する。
年間維持(拡張)費用
25000円程度(2001年度)
15000円程度(2002年度)
9000円程度(2003年度)
12000円程度(2004年度)

背景を含めて記載


▲自転車界に新しい風を吹き込んだハイテク車277系

700系自転車は2001年4月29日に導入した当方では10年振りのマウンテンバイク である。今までは277系自転車というクロスバイクを使用してきたが、 周囲の環境によりキャンプ用を兼ねたハイレベルな車両を導入せざるを得なくなり、 車庫に収容仕切れない277系を手放すことになった。 しかし、多くの装備が700系に継承されて現在に至る。

コストパフォーマンスとユーティライズの競合

マウンテンバイクを導入することを急に余儀なくされたため、 コンセプトはキャリアを付けられること以外には及ばなかった。 そのため、以前の車両で達成した安全・耐久性・乗り心地という3つの項目において導入後に見直す必要が出てきた。 後に安全面で大きな問題が発生し、様々な部品が取り替えられることになったのはコスト的に痛手である。 しかし、クロスバイクでは実現が難しかった高速性能を見事に克服しているのでマイナス面ばかりではないと思われる。

各種装備の紹介

・基本構成
マウンテンバイクは通常、ごつごつしたブロックタイヤを装備しているが、 アスファルト部分を走行することが多いこと、 277系の抜けた穴を埋めるべく日常生活でも使用しなければならないことを考慮し、 表面がツルツルのスリックタイヤを装備している。 そのため、雨天時や雪の時は制動能力の低下がひどく、 常用制動の範囲内でも、制動力を急に強めた場合は車輪がロックすることもある。 また、JR東日本の東大宮操車場の急勾配(跨線橋)を登るためにギアを装備している。 277系に続いて、前3段・後9段の変速を装備しているため、 急勾配上でも高速性能をいかんなく発揮することができる。

・主要緒元
起動時から高速時までの加速をギアで切り替えるために出力変化が緩やかで、 様々な道路環境での走行に適応することができる。 さいたま市内を始めとする平地では、 前よりのギア(クランク付近)はまず使用することはなく、 性能をもて遊んでいる状態である。 この余力を生かし、都区内では酸素吸入量を少なくし、 SPM(粒子状浮遊物質)の混入を避ける等の対策に回すことができる。 また、277系ではスプロケットが欠けて変速不調を起こしたこともあるため、 予備用のギアとしては非常に有効な段数である。

ブレーキはブレーキパッドをリムに押し当てるVブレーキシステムを導入するこ とで、スリックタイヤでマイナスとなる制動を極力カバーしている。また、ブレ ーキシューはシュー部分のみを交換することが出来るカートリッジ式であるため 、速やかにシューを交換することが出来る。

・車体関係
▲特殊溶接により軽量で強いフレームを実現 ▲GT車独自の「トリプルトライアングル」形

277系に引き続いてアルミを採用している。クロモリでは柔らかい乗り心地を得 ることができるものの、錆との戦いが深刻なため採用をしていない。また、ア ルミ化とともに軽量化にも貢献している。このアルミニウムはシリーズ7000と 呼ばれる種類で、700系という呼称もここから来ている。 (登録上、3桁の数字に限定されていたため700系になった。)

・デザイン
色はカッパー(黄色)とブラウンをベースにブラックとホワイトのストライプを 巻くことにより、デザインを強調している。 タイヤ側面のイエローもこの車体に合わせての色となっているが、これはイエ ローが警告の意味を持つことから、事故防止の祈りを込めてのものとなってい る。 イベント・キャンペーン時には期間を限定してシールなども貼っており、 特徴的な車体ながらもそれを引き立てることができるのも特徴である。 現在は車体広告車両として走っており、身近な各種商品のアピールをすることにより 社会貢献を考慮したものとなっている。(笑)

・照灯システム
▲左はハロゲンライト(補助灯)
右は高輝度ホワイトLED(常時灯)
▲2002年1月まではホワイト
LEDを常時灯として使用していた

277系からは鉛蓄電池によるバッテリーライトシステムが構築されたが、 700系ではそれよりは低い性能であるものの、簡易かつコストが低いものに置き換えられた。 700系運用開始時には277系からバッテリーライトを受け継いでいたが、 2002年1月には高輝度ホワイトLEDを補助灯として試験導入し、 性能・ランニングコストに満足したため11月にはもう一つ導入した。 現在はデジタルカメラで用いられるニッケル水素電池を使って明るさを向上させた上で 常時灯・補助灯ともに完全に高輝度LEDライトによる運用となった。


▲テールライトは3つ装備しているが、2つは予備

最近普及が進んでいるテールライトも700系ではしっかりと装備している。 写真では二つとなっているが、現在はキャリアバッグに装着するために三種類を用意している。 原則的には一つしか使わず、あとは予備である。 自転車量販店で発売されているものはおよそ1000〜2000円で購入できるが、 最近は大手メーカーダイソーで100円で同レベルかそれ以上の品が購入できるようになった。 アピアランスライトのため、相当な明るさを求めることもないためか、どの製品についても満足な性能である。

・走行輪
▲スポークは黒色のホイール、
側面が黄色のスリックタイヤ
▲クイックリリース棒は命綱

26インチでタイヤのサイズは26 * 1.50となっている。 側面がイエローのスリックタイヤを装備し、 交差点における側面衝突を防止する効果を期待している。 ホイールはクイックリリースというリンクを外すことにより簡単に外すことができるようになっている。

・ハンドル(運転支援機器)

▲試験運転時にはボイスレコーダーを搭載

ハンドルには様々な運転支援機器がついている。主にライト関連が中心であるが、 メーター(速度計)、メーターライト、ベルなどがある。 検測時にはボイスレコーダーなどのミニコンピューターがハンドルに装着される。 277系最大の特徴である左右両側ミラーはない。 これはハンドル両側にエンドバーが付いているためで、277系から流用ができずにこのような形になった。 安全面で劣る原因の一つとなりそうだが、 目視を強化することにより安全は確保できるものと思われる。(ないことが原因の事故は今日までゼロである)

・シート(サドル)

▲柔らかい座席とシートサスで快適性向上

車両購入当時は長距離用の硬いサドルが付いていたが、 日常生活向けに比較的柔らかいサドルに交換し、 さらにシートサスペンションを付けることによって、 アスファルトの凸凹による衝撃を吸収して乗り心地をよくしている。 シートサスペンションは六角レンチ一つで硬さを調節できるため、長距離利用の場合は有効である。 現在はさらなる座り心地の向上のためにジェルクッションを敷いている。

・キャリア(兼用泥除け)
▲大荷物が想定される時はキャリアを装備 ▲前後輪30kg共にまで耐荷できる

長距離走行時の多量の走行部品や、スーパー買い物での食糧等を積み込むために、 キャリアとサイドバックを装備できるようになっている。 主に後ろにキャリアを装着するが、用途に応じて前にも付けられるように準備工事がなされている。 キャリア導入以前は泥除けを別途取り付けていたが、前のキャリアを取り付けることにより、 タイヤから顔面に直接泥水が噴射されることはなくなり、視界が確保されたため非常に助かっている。

・コンピュータ(速度計)

▲様々な計測を可能としたデジタル速度計

車両のインテリジェント化を目論んで277系から搭載されたコンピュータを流用して使用している。 走行速度・積算距離・走行距離・走行時間・平均速度・最高速度を 瞬時に計算する優れもので、配管をなくして電磁誘導ラジオシステムを採用しているのが最大の特徴である。 ホイール(スポーク)には磁石が、フロントホークにセンサーを取り付けてあり、 磁石がセンサーの前を通過することにより電磁波が コンピューター本体に送られてディスプレイ装置で演算して表示するシステムである。 メンテナンス等も非常に楽で、コードレスのため通信手段が断たれる恐れもない画期的なものであるが、 踏切通過時や各種電波を出す施設の隣を通る時などは、電磁波が線路に吸収されてしまい計測ができない。 このメーターは277系と同じ種類のものを使用しているが、 車両留置中のメーター破損事件や保管上のミス合計2件があったため、定期的に買い換えている。 この置き換えで電磁波送受信距離が40cmから75cmと飛躍的に向上した。 これにより冬季では電波が届かずに使用できないということも克服している。

・盗難防止装置

▲大音量で盗難を防ぐ威圧装置

外部進入者による車庫での盗難、外出先での留置時の車両へのいたずら、 部品盗難を防ぐために盗難防止装置を277系から導入している。 この装置も277系からの流用品ではある。 この装置はマイコンを装備していながらも500円とかなり安価であり、 試験的な要素をかなり含んでいながらの導入となった。 万が一に警報セット後に動かしてしまうと30秒間なり続け、 それでもなお動かそうとする場合は再び鳴る仕様である。 解除には暗証番号が必要となる。警告音量はかなり大きく、耳を塞がないと非常に苦しい状態となる。 これを未然にも防ぐため、車体には触ることのないように警告シールを貼付してあらかじめ注意を促している。

運用状況や今後の抱負


▲譲渡した277系との連結運転も度々実現している

700系は277系と入れ替わりに2001年4月29日よりハンドル訓練・調整試運転を経て同年5月1日より本格運用が始まった。 277系は保管場所がないため止む無く手放したが、譲渡先の新地で立派に一線で活躍しているので安心している。 しかし700系は多くの問題を抱え、同年6月には泥除けがないことによる大雨の視界不良で運転手が大怪我を負い、 自転車本体もハンドルやタイヤを中心に激しく損壊した悲惨な事故が発生し、 同年7月の完治とともに問題点を洗い出して大リニューアルを施した。 泥除け装備、700系向けの運転支援装置、キャリア装着(現在の泥除け)や新型ライト導入などを経て現在に至るが、 以後はこれらをどう維持していくかが課題となるであろう。

現在は都区内への乗り入れや長距離運用も頻繁になり、運用環境の多様化に適応した走行システムの見直し、 老朽化も視野に入れたリニューアルやさらなる乗り心地の向上、 軽量・小型の支援装置の充実を計画しており、 車庫施設との連携をより強めてより信頼のおける車両になるために一歩ずつ進んでいる次第である。

さいたま市北交通局運輸部車両管理課

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